備忘録

元翻訳者。英語、本、映画、その他なんでも、日々、感じたことやメモなど書きます。

欲望という名の電車

昨日、大竹しのぶ主演の「欲望という名の電車」という舞台を観てきました。Bunkamuraで昨日が初日でした。

 前半はまったりした感じもしましたが、休憩を挟んで後半から一気に動き出した印象で、最後のクライマックスで大竹しのぶ演じるブランチが狂っていく様子が怖いほどに迫ってきて、他の役者さんたちもそれぞれの役柄を体の奥底から湧き立たせているような、何とも言えないものすごい迫力でした。

 ブランチは過去に追った心の傷もあり、この劇中でどんどん病んでいき最後は精神を破滅させてしまうのですが、その刻々と移り変わっていく様が舞台の構成と大竹しのぶの迫真の演技で表現されていて、ブランチの心の中を目の前に見ているような感覚になりました。セット自体は大きく変わることはないのですが、そのバックでいろいろなものや人が時には微妙に、時には一気に激しく移り変わり、それが表現されています。照明や音からも強い刺激を受け、舞台の技術的なことはよく分かりませんが、人の心に強く働きかけるためのいろいろな技が駆使されていたに違いない、と思いました。

 こういう純粋な舞台を観に行くのはとても久しぶりでしたが、想像していた以上に心を揺すぶられてしまいました。生きているうちにいろんなものを観ないとだめだなぁ、と心から思いました。他にもいろいろともっと観てみたいです。