ほんやく備忘録

フリーランス翻訳者です。日々、感じたことやメモなどを書いてます。

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」

日本人のお母さん(著者)とイギリス人のお父さんを持つ中学生の男の子がイギリスの学校で経験する様々なことを、イギリスの社会問題などについても触れつつ描写した、社会学の教科書にもなりそうな本でした。

イギリスがどんな問題を抱えて、それが日々の生活に、特に子供の学校生活にどんな影響を及ぼしているか、イギリスの人たちの日常はどんな感じなのかが手に取るように分かって興味深かったです。

社会問題の内容よりも、その問題が隠されることなくこんなにもあからさまに表出されている事実に驚きました。

今、新型コロナの変異種がイギリスで見つかったと世界中で大騒ぎになっていますが、見つけて発表したのがイギリスなだけで、もうとっくに他の国にも存在しているかもしれない、最初の出所もイギリスでない可能性だってあるし。イギリスが発表したのをきっかけに世界中でそれを調査分析し始めたと考えると、イギリスの誠実な対応に感謝したいくらいの気持ちです。

イギリスには存在する問題を隠すという発想自体がないのでしょうか。問題山積ではありますがなんだか分かりやすくて明快です。なんでも隠したがる日本とは対照的です。

この主人公の男の子はとてもまっすぐで核心をついた発言をします。核心をつくと結果的に人にやさしくなれるのかもしれないと感じました。人の気持ちが分かるという意味ではとても想像力の豊かな子だなと感じました。想像力ってとっても大切だと思います。