ほんやく備忘録

フリーランス・リーガル翻訳者です。日々、感じたことやメモなどを書いてます。

「~に基づき」「~に従い」

契約書を訳していると同じ表現が繰り返し出てきます。

特に「~に基づき」はよく目にする表現で、時には1文の中に2回も3回も出てきたりしてあまり繰り返すと気持ち悪いこともあります。

そこで今日は、これまでに出会った表現をまとめてみたいと思います。

「に基づき」
under the law of「の法に基づき」
hereunder「本契約に基づき」*「本契約」の部分はその文書そのものの書類名次第で覚書、規約などなど変わってきますが。
based on  * 一般的に一番よく出てくる表現ですが、契約書ではそんなに頻繁には使われていない印象があります。
in accordance with *「~に従い」という表現でよく見ます。

 

最後の「~に従い」という言い方もよ~く見かけるので調べてみました。

「~に従い」
upon the term of「の条件に従い」
subject to the terms of「の条件に従い」
according to the documentation「当該書類に従い」
as provided below「下記の定めに従い」* "as provided ~"「~の定めに従い」という使われ方であちこちで見ます。こんな英語表現がすぐ出てくるようになったら気持ち良さそうですが、なかなか出てはこない、というのが私の現状です。
pursuant to Article X 「第X条に従い」

まだあるかもしれませんが、これまでやってきた中で思い出せるのはこんな感じでしょうか。同じ表現でも文脈によってその意味するところは微妙に違ってきたりして、それによって選ぶべき英語も変わってくるのかと思いますが。

また、最初に書いたように繰り返しがあったりするとよけい内容を汲み取る必要も出てくるし、他の人の訳を見ていると原文日本語が跡形もなくなっている英訳がきれいで逆に内容を正確に伝えていたりすることもあるので、工夫が必要なようです。同じ表現の繰り返しが多いと言われている契約書でさえも、やはり意味を取って訳す力が分かりやすい翻訳文を作れるかどうかの決め手となるような気がします。