備忘録

元翻訳者。英語、本、映画、その他なんでも、日々、感じたことやメモなど書きます。

オンラインセミナー

最近、オンラインセミナーを受けすぎですごく忙しくなってます。

今年の前半はコロナでいろんなセミナーが中止になって悲しんでいたのですが。

8月に日本通訳翻訳フォーラム2020というものが1か月にわたって開催されました。これは本当に素晴らしかったです。登壇されたスピーカーの先生方の顔ぶれも、トピックも充実しバラエティーに富んでいて、とにかくすごかったのです。8月はちょうど自分の仕事も暇だったので、めったに受けられないようなセミナーを毎日視聴していたという夢のような1か月でした。

あの夏以降、秋にかけてオンラインセミナーはものすごい数に増えています。

無料で受けられるものもあったり、有料でも気軽に受けられるということもあり、考えなしに申し込んでいたらなんだかバタバタしっぱなしです。

翻訳のセミナーだと課題もあったりすると手が回らない~

勉強になりそうなセミナーばかりなので、ついつい申し込んでしまうし。

嬉しい悲鳴ではありますが。

考えてみたら、今年はオンラインセミナーからの刺激で自分の翻訳とか翻訳に対する姿勢とかいろいろ変わった部分もあり、充実した、というか中身の濃い年となりました。

少し取捨選択する必要はあるかもしれないけれど、せっかくなので頑張ってできる限り受けていった方がよさそうかな、と今これを書きながら改めて思いました。

翻訳演習 最終課題

翻訳演習の最後の課題提出が終了しました。

最後の課題はアメリカ人が書いたエッセイでしたが、めまいがしそうなくらいに難しかったです。

聞いたことのない単語は当然調べますが、よく知っているシンプルな(はずの)単語もどう訳したらよいか分からないものがいっぱいあって、ひとつひとつ辞書を丹念に調べるという作業で時間もいっぱいかかりました。

単語をしっかり調べるのはもちろん大切なことですが、近視眼的に一個一個の単語に集中しすぎると全体の流れが分からなくなってきて、1文前に何を言ってたかすっかり忘れるというなんとも情けない状態になったりします。

haveとかwouldは自分にとってはおなじみの簡単そうに見えて一番悩む単語シリーズですが、今回は出てくる単語がすべて悩みの種になり、"time"とか"self"とかで苦しんだり、辞書を引いてもピンとくるものがなくて、しまいには辞書を疑い始める始末。

とりあえず課題を出せた喜びと、自分の力のなさに落ち込む気持ちが混ざり合い複雑な心境です。

翻訳演習

 

今年は翻訳演習をという青山ブックスクールが主催する翻訳の講座を受けています。これは今年のはじめに申し込んでいて、本当は青山まで受けに行く予定だったのですが、結局、すべてオンラインになりそうです。(残り1回ありますが、今の感染者数だとやはりオンラインでしょう)

普段の仕事では対応しないような文章に四苦八苦しながら取り組んでいると、仕事の翻訳では学べないようなことがたくさん学べます。仕事で訳している文章は専門用語なども含めて慣れ親しんだものばかりですが、課題文はかなり難解な短編の抜粋などで、へたすると1文の中に出てくる全部の単語を辞書引いて調べてるなんてこともあります。調べている時は泣きそうですが、たぶんこれが良いのでしょう。

課題の訳文の出来は散々ですが、もはやそこは気にしないことにしています。

講座は和訳ですが、不思議なことに普段の仕事でやっているリーガル関係の英訳が楽になっているような気がします。難解な英文で散々頭を悩ませた後に、ビジネス文書に対応すると楽に感じるという現象が起きるようです。和訳、英訳関係なく。

仕事の翻訳は専門用語の知識である程度は行けてしまうというのと、いつも納期に追われているのでじっくり取り組むという機会はないので、こういう講座でじっくり取り組むというのは必要なことだと感じます。

課題をやる時間を確保するために若干仕事の時間を減らすことにはなるのですが、このおかげで翻訳力がつくならば、目先のことにとらわれずお金と時間をかけてふんばるというのは必要なことなんだなと実感しました。

来年ももう一期受けたいと思っていますが、3期以上は受けられないらしいので、その後、どうするか今から考え中です。

昨年まではこういうまとまった講座を受けていなかったのですが、今後はいろんな講座をちょっとづつハードルを上げつつ受けていきたいなと思っています。

映画鑑賞

今日、「ドクター・デスの遺産」という映画を観に行きました。

サスペンスとか刑事ものはそんなに好きではないのですが、綾野剛北川景子につられて観てきました。

ここ最近は毎週のように映画を観に行っています。

10月初めに「窮鼠はチーズの夢を見る」を観に行ったのを皮切りに、「アダムスファミリー」、「糸」、「鬼滅の刃」、「浅田家!」、11月に入ってからは「罪の声」、「おらおらでひとりいぐも」、「スパイの妻」、「ドクター・デスの遺産」。

観始めたら面白くて止まらなくなってます。コロナで旅行とかちょっと東京で食事とかもできない中、映画館で大きなスクリーンでいろんな場所のシーンを見るとちょっとそこに行ったような気になったり、感動で号泣したり、いろいろ考えさせられるような内容だったり…とにかく、いつもと違う世界に入り込めるひとときという感じで、とても良いストレス発散となっています。

若かりし頃、映画と言えば洋画ばかりで、邦画はそんなに観ることはなかったのですが、私が映画から離れている間に邦画も頑張ってたのね、と初めて知りました。

この約一カ月半で観た映画はどれもこれも本当に良いものばかりでした。

ただやはり残念なのは、洋画で話題作がまったくやってないことです。TENETという映画をやっていましたが、邦画に気を取られている間に終わってしまいました。今はコロナのせいで洋画は公開しているもの自体が少ないようです。今はとうとう一本もなくなってしまいました。

アメリカ映画のくだらなくてただ笑ってすっきりできる系とか、サイエンス系のものとかも観たいです。huluとかでちょっと古いのを探してみようかなと思いますが、やはり大きなスクリーンで観るのがいいんですよねぇ。

給湯器が壊れる

一昨日、突然、家のお湯が出なくなりました。

夕方に気付いて、外付けの給湯器を見に行ったらなんと給湯器本体から水が漏れ出ていました。土曜の夜でしたが、ノーリツのフリーダイヤルにつながり、翌日にまた電話をもらうことに。土曜の夜に働いてるんだなと思ったら、感謝の気持ちでいっぱいに。

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翌朝、再確認してみたら下に置いておいた大きなポリバケツがいっぱいになってました。

その日のうちに修理担当の方が来てくれて、とりあえず水は漏れ出ないようにしてもらい、丁寧に説明してくれましたが、もう寿命で限界ということでした。使い始めてもう17年ほど経っていますが、給湯器の寿命は10年くらいだそうで、そう思うとずいぶん長持ちしたもんです。調べてみると過去に2回くらい修理しているようでしたが。

今どきの給湯器の説明をいろいろしてくれて、仕組みなども詳しく教えてもらいました。以前に短い文章ですが給湯器に関する翻訳をしたことがあって、苦労した覚えがあったので、ここぞとばかりにいろいろ質問したりして結構楽しいひと時でした。

意外とこういう機械ものの翻訳なども嫌いじゃないかも、と思ったりして。小学校のころの技術家庭のクラスでは調理実習の時間よりエンジンの仕組みを習う時間の方が好きだったなぁなんてことも思い出したりして。

結局、新しい給湯器の設置は明日してもらえることとなりました。

お風呂命の私としては、一日でもお風呂に入らないのは辛い。

ということで昨日今日と近所の銭湯に行きました。たまには広いお風呂も良いかな、とは思いましたが、このコロナの時代なのに、脱衣所でいつにも増して大きな声でマスクなしでおしゃべりしているおばちゃん達が二日ともいて、お風呂の気持ちよさと感染の恐怖が葛藤するという2日間でした。

「なんでもないようなことが幸せだったと思う~♪」というフレーズが頭から離れません。

家のお風呂で読書しながら一日の最後を過ごすという日常が早く戻って欲しいと切に思うのでした。

クラウド版デッドライン仕事術

クラウド版 デッドライン仕事術
 

 以前からずっと自分の弱点だった自己管理ですが、新型コロナの不安もありこの機会にいろいろとちゃんと整えていこうと思い立って、すでにずいぶん前に購入していたこの本を再度熟読しました。

今の自分の課題としては…

自分がどんな風に仕事をしていきたいのか、どんな翻訳がしたいのか。どんな翻訳者になりたいのか。しっかりと方向性を固めたい。その上で、今すべきことを着々と進めていけるようなシステムをつくる。翻訳の力をつけるためにはすべきことが山盛り。すべきことをすべて洗い出してバランスよく、効率よく勉強計画を立てる。

2014年の立ち上げから6年目。この間にたまった書類や資料があちこちに散らばっていて、必要なものが必要なときに取り出せていない。勉強会、本、ウェブ、過去の自分の翻訳作業などでゲットした貴重なデータの山がちゃんと活用されていない。

要するに、自己管理がちゃんとできていない。これをなんとかして、スッキリとさせたい。私生活も含めて、という感じです。

 

日々のTo Doを決めるにあたり、まずは人生設計から始めました。

人生プランを立て、それを週計画にまで落とし込んでいく方法などもかなり詳細に解説されていますが、とっても長くなりそうなのでここでは省きます。
 
60年計画から初めて、最終的には毎日のTo Doに落とし込んでいきます。
「計画を漏れなく実行するためのコツはたった一つです。それは何度も見返すことです」
「計画はどんどんアップデートして履歴を残す」とのこと。
何度も見返すための仕組みを作れば忘れっぽい私でもやれそう。見返すことを忘れたらアウトではありますが。
後からアップデートするという柔軟な方法も自分にはあっているかなと。
 

この本の中で、会議については、

「優先順位を即決して今日の仕事に集中する」

「複雑な仕事は細かく砕いて片づける」とか、

この本の著者の1人、トリンプ元社長の吉越さんがトリンプ時代にやっていた早朝会議は、「議題は40~50挙げられ」「だらだらと話し合う場ではなく、決める場」としていた、などなどヒントがたくさんありました。

私の場合、ひとり会議ですが、だらだらと思いにふけるのをやめて、やってみようと思うことをどんどんリストアップしていき、その日のうちに、または毎日ルーティンでやるべきことを確認する時間にしています。

 
クラウド時代のデッドライン仕事術」のコンセプトとして、
☆いつでもどこでも必要な情報すべてにアクセスできる
ノマドワークスタイルに対応している
☆集中して仕事をこなすことができる
☆ムリ・ムラ・ムダのないスマートなシステムである
☆パソコンやスマホが壊れたり紛失したりしたときに情報が失われてしまわない
などが挙げられていました(他にもありましたが、自分に当てはまるのがこのくらいかなと)。これを実現するために様々なアプリなどのツールも紹介されています。わたしはEvernoteをすでに使っているので、まずは改めて活用方法を工夫し、整理整頓しているところです。
 
後半にはデータ管理について、デジタル化した書類を見失わない技術として、すべての人生活動を構造化して分類する方法などが載っています。構造化して分類とかは会社勤めしてた時はやっていましたが、フリーになってからはあまりできていないのであの頃を思い出しつつ整理しています。さらにはこれをEvernoteでも統一するという整理整頓も始めています。
長年たまったデータが散らかりすぎて少し時間がかかりそうですが、この機会に紙の資料も全部データ化して整理したいと思っています。特にEvernoteは取り込んだすべてのファイルを検索機能で串刺し検索することができるのでちゃんと整えたら翻訳ツールとしても宝の山となりそうです。
 
翻訳の勉強の場合は、毎日同じようなことをコツコツやることも多いのですが、それも細かく砕いて毎日片づけるという方法でいけそうです。これまではやった方がいいと思われる勉強がたくさんありすぎていっぱいいっぱいになり、仕事が忙しいという言い訳などをしつつ結局やらないという結末だったのですが、今は少しづつですが勉強も毎日ちゃんとできています。
期限を区切って仕事を進めていく、早く終わったら前倒しで次の仕事に進める、決めた期限は絶対に守り残業は絶対にしないというのがこの本のキモかなと思いました。
まだ自分の整理整頓は道半ばで、改善の余地もたくさんありますが作業は意外と楽しいです。またその後について書けたら書きたいと思います。

2020年の抱負 ~AI翻訳~

今、世の中はAI祭りとなっています。

それは翻訳業界も同じ。

昨年のある時期、AI翻訳を土台にして翻訳してくれという依頼が立て続けにありました。最初の数件は受けましたが、人間の間違いとは明らかに違う気持ちの悪い翻訳を修正するという作業は、自分の脳を破壊していくような感覚がありました。決して大げさではなく。本能的な、直観です。

周りの人を説得するためには、ちゃんと言葉で表せなくちゃいけないのかもしれませんが。

この前の紅白でAIの美空ひばりが新曲を歌っていましたが、なんだか違和感を感じました。敢えていえば、この違和感が翻訳で感じたものと共通しているかもしれません。感情がないというか、心がないというか。ヒューヒューと冷たい風が心に吹くような。

AIの美空ひばりをいいと思う人がいるとしたら、感性が違うのでしょう。感じ方はひとそれぞれだと思うので、そういう人もたくさんいるのかもしれません。

AI翻訳が今でも出回っているのだとしたら、その修正作業をしている翻訳者が少なからずいるのだと思います。その人たちはなんの違和感もなくそれを行っているのか?それとも違和感を感じつつ、仕事だから、と歯を食いしばって頑張っているのか?

実際に今後、AI翻訳が広がっていくのならば、そっちに加担する人たちがたくさんの仕事を得ることになるのでしょう。私のような頑固者の仕事は減っていくかもしれません。

ただ、AI翻訳を少しやってみて思ったのは、最終的に出来上がった文章を見て、その表現が自分のものではなく、表現の統一という意味でもなんとなく納得がいかずモヤモヤ感が残りました。ただ、はっきりとした間違いという訳でもないのでどっからどう修正したら良いかわからず、その状態で納品することになります。この感じをある翻訳会社に伝えたところ、そんなに出来は悪くないのでそんなに気にしないでいいとのことでした。質よりも、早く、安くできればいいということなんだろうと思います。

こんなことを愚痴っている間に、自分の翻訳力をアップする努力をして、AIにはできない翻訳が自分にできるように頑張るべきかもしれません。人間の翻訳でないとダメ、という分野、内容の文章や、翻訳会社はまだまだあると思うので。

昨年1年は、AI翻訳をやるやらないで翻訳会社とのせめぎあい(?)があったりして心がざわついた一年でした。最終的な結論としては、AI翻訳ではできない人間らしい翻訳を自分ができるよう努力する、それでも翻訳の仕事が減って食べていけなくなったら、違う仕事に職種変えしようと決心しました。進むべき方向が決まったので、少なくとも心のざわつきは今はありません。

今後どうなっていくかは未知の世界で、来年の今頃、自分が何をしているのか分からないという危機感もゼロではありませんが。

行けるところまで頑張ってみます。

2020年の抱負でした。